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補堕落山・六波羅蜜寺 「秘仏」と「宝物館」

20091202_rokuharamituji西国三十三所巡礼・第十七番
補堕落山・六波羅蜜寺(公式ページ)
(ふだらくさん・ろくはらみつじ)
左の写真は六波羅蜜寺。

◆宗派:真言宗智山派
◆本尊:十一面観世音菩薩(国宝)
◆開基:空也上人(くうやしょうにん)
◆創建:951年(天暦5年)
◆結縁御開帳:2008年11月16日-30日、2009年4月26日-5月6日、11月22日-29日
◆通常御開帳:秘仏(12年に一度・辰年) ◆時間:8時~17時
◆所在地:京都市東山区五条通大和大路上ル東(地図) ◆拝観料:無料
◆宝物館:大人600円 大高中学生500円 小学生400円※30名以上の団体各50円引
◆駐車場:無(五条坂の途中に市営清水坂駐車場60台)

御詠歌
「重くとも 五つの罪は よもあらじ 六波羅堂へ 参る身なれば」
(おもくとも いつつのつみは よもあらじ ろくはらどうへ まいるみなれば)

意味:たとえ五つの大罪(五逆罪:一つには父を殺し、二つには母を殺し、三つには聖を殺し、四つには平和を擾(みだ)す、五つには仏の身より血を流す)を犯した者でも、観音さまと縁を結び今後は六つの波羅蜜を日々実践することにより罪は消えていくであろう。

20091202_17momiji◆縁起
951年(天暦5年)醍醐天皇第二皇子・光勝空也上人により開創された。当時京都に流行した悪疫退散のため、上人自ら十一面観音像を刻み、御仏を車に安置して市中を曵き回り、青竹を八葉の蓮片のように割いたもので茶を点て、中へ小梅干と結昆布を入れ仏前に献じた茶を病者に授け、歓喜踊躍(ゆやく)しつつ念仏を唱えてついに病魔を鎮められたという。上人が病の薬とした茶は、現在も当時のまま「皇服茶(おうぶくちゃ)」という名前でお正月三が日に訪れる参拝客に授与されているそうだ。このお茶を飲むとその年は無病息災で過ごすことができるという。右の写真は境内の紅葉。

現存する空也上人の祈願文によると、963年(応和3年)8月、諸方の名僧600名を請じ、金字大般若経を浄写、転読し、夜には五大文字を灯じ大萬灯会を行って諸堂の落慶供養を盛大に営んだのが起こりである。

20091202_kuuya ◆宝物館
六波羅蜜寺を参拝したら宝物館は必見! 美術や歴史の教科書で見たことがある「空也上人立像」(重要文化財)(左の写真・パンフレットより)があるからだ。他にも「地蔵菩薩坐像」や「平清盛坐像」、「運慶坐像」、「湛慶(たんけい)坐像」など重要文化財がたくさんある。

空也上人立像」とは、念仏を称える口から六体の阿弥陀が現れたという伝承のままに造られた彫刻だ。阿弥陀仏の小像を針金で繋ぎ、開いた口元から吐き出すように取り付けられている。この六体の阿弥陀像は「南無阿弥陀仏」の六字を象徴し、念仏を唱えるさまを視覚的に表現しているそうだ。運慶四男康勝(こうしょう)の作。胸に鐘鼓(しょうこ)を、右手に撞木(しゅもく:かねを叩くもの)を、左手に鹿の杖をつき、膝をあらわに草鞋(わらじ)をはいている。上人が鞍馬山に閑居後、心の友として愛した鹿を猟師が射殺したと知り、大変悲しんでその皮と角を請い受け、皮をかわごろもとし、角を杖頭につけて生涯我が身から離さなかったという。像の高さは117.6cmなので小さい像なのだが、思い入れが深かったのか、小さくは見えなかった。ものすごいオーラを感じて目が釘付けになった。なんて素敵フォルムなんだろう・・、わかりやすく形に表わすってこういうことなんだと思った。この表情、なんだかずっと忘れられない気がする。

平清盛といえば「平家物語」を思い出すが、お経を手にした清盛像は悟りの境地に達しているようだった。

境内に十輪院という仏師運慶一族の菩提寺があったという。「地蔵菩薩坐像」は運慶作で十輪院の本尊。一名「夢見地蔵」といわれ、眉目秀麗な面相や変化のある法衣のひだが優れているといわれている。その本尊の脇侍のように祀られていたのが、「運慶坐像」と「湛慶坐像」。湛慶は運慶の長男で、やはり仏師。親子並んでいるのは菩提寺ならでは。

宝物館ではビデオを放映している。六波羅蜜寺のことや行事、仏像の説明などを知ることができる。「空也踊躍(ゆやく)念仏」という歓喜躍踊しつつ念仏を唱える様子や夏の萬燈会の様子など、いろいろわかってとても良かった。

20091202_17naijin秘仏
十一面観世音菩薩」(国宝)
秘仏はふっくらとして気品のあるおだやかなお顔だった。258cmの観音さまは外陣から見ると厨子の中にあるからか、ちょうど頭部の十一面が見えない。残念だなあと思っていたが、宝物館で放映されていたビデオで見ることができた。もう一度お堂に戻りそのイメージで観音さまを見ていたら、ビデオで説法されていたお坊さんがいらして「せっかくだから内陣も皆さんに見ていただきましょう。」と柵をはずしてくださった。三人ずつ外陣から一歩進み、一度お焼香をしてしっかり拝んだ。十一面が見えるわけではないけれど、内陣へ入らせてもらうだけでもなかなかないことかも、と思えてきて有難く感じられた。写真は本堂内陣と厨子:パンフレットより)

外陣(げじん:本堂内部、靴を脱いで上がり参拝するところ)
内陣(ないじん・本堂内部、僧侶がお勤めをするところ)

◆感じたこと
住宅密集地にあるけれど、お寺の中は別世界のようで、開放的で信仰の篤さを感じるようなお寺だった。ご朱印をいただいていた隣の窓口では、おみくじの説明をされていて驚いた。おみくじという名前だが四柱推命で、双方とても熱心で丁寧な印象を受けた。運勢を知りたいときは、このお寺がいいかも・・と思った。

空也上人立像を見ることができてたいへん嬉しかったし、ビデオがとても良かった。下は六波羅蜜寺のご朱印。「奉拝・六波羅堂・執事」と書かれている。六波羅堂へのお参りを執事が証明します、という意味だと丁寧に教えていただいた。ご朱印は六波羅堂で。

20091202_17gosyuin

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20091202_17bonji 右は六波羅蜜寺の十一面観世音菩薩の梵字。
◆六波羅蜜
六波羅蜜とは、大乗仏教の修行者(菩薩)が実践すべき六つの徳目のことを指す。「布施・自戒・忍辱・精進・禅定・智慧」、これら全ての徳を備えた者が、他人を救いうる者(菩薩)のような存在になれるという。空也上人やその弟子が十一面観世音菩薩に託した願いは、一切衆生の救済である。

布施(ふせ):見返りを求めない応分の施しをさせていただくこと。
自戒(じかい):瞬時瞬時に自らを戒めること。
忍辱(にんにく):いかなる辱めを受けても耐え忍ぶこと。
精進(しょうじん):ひとときも無駄にすることなく、日々誠心誠意尽くすこと。
禅定(ぜんじょう):冷静に第三者の立場で自分自身を見つめること。
智慧(ちえ):仏さまの智慧を頂戴してこの世に生をうけていることを認識する。「智慧」とは、仏道修行する結果として得られた悟りのこと。

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